2018年2月17日土曜日

UEFIモードでUbuntuをインストールする方法(Ubuntu 16.04 LTS)

UEFIモードでUbuntuをインストール
UEFIモードで、Ubuntuをインストールする方法の解説記事です。UEFIモードでUbuntuをブートするためには、使用しているUEFI BIOSの設定やGPTパーティショニング、ハードウェアの対応の確認など、やらなければならないのでよく注意して読んで下さい。

今回は、以下の構成でUbuntuをインストールする。道のりは少し長いが、記事に従ってインストールすれば、UEFIモードでUbuntuをブートできるようになる。

  • OS: Ubuntu 16.04 LTS(Ubuntu Desktop 日本語 Remix)
  • イメージファイル: ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso
  • インストールメディア: DVD
  • インストールモード: UEFIモード
  • パーティショニング: GPTパーティショニング
  • ストレージフォーマット: ext4(ルートディレクトリ)
  • ネットワーク接続: DHCP(LANケーブル接続)
  • ブートローダ: GRUB


インストール環境
今回、Ubuntuをインストールするハードウェア環境は以下の通り。

  • パソコン: デスクトップPC
  • マザーボード: ASUS P8 Z77-M PRO
  • UEFI BIOSバージョン: 2203
  • インストール先ドライブ: SSD Crucial m4 512GB 2.5inch
  • CPU: Intel Core i7-3770S

UEFIモードでインストールするメリットは?
UEFIブートすると、以下のようなメリットがある(「Windows 8.1クロスロード:第9回 UEFIサポートとセキュアブート (1/2) - @IT」より)。
セキュアブート
ブートコードなどが改ざんされていないことが保証される機能が利用できる。ブートコードを変更する操作(ウイルスなど)は禁止されるため、システムの安全性が増す。UEFI 2.3.1 Errata C 以降が必要。
ただし、セキュアブートは対応するOSが限られていたり、OSの起動に障害を発生させやすいので無効にする。Ubuntuでも対応したバージョンがリリースされているが、どうしてもWindowsをセキュアブートしたい場合を除いて使わないほうが良い。

2.2Tbytes以上のディスクからのブート
2.2Tbytes以上のディスクが、OSのインストール先として利用可能になる。レガシーBIOSシステムでは、2.2Tbytes以上のディスクはデータ用ディスクとしてのみ利用可能であり、OSのインストール先としては利用できなかった(2.2Tbytes以上の領域にはアクセスできなかった)。

高速なシステム起動/シャットダウン
レガシーデバイスサポート(レガシーデバイスのスキャン)などを省略し、高速なシステムの起動が可能となる。

UEFIモードでインストールするための条件
UEFIモードでUbuntuをインストールするためには、以下のような条件が必要。記事中でそれぞれの条件が満たされているか確認していくので、これ以降の内容を参考にしてほしい。

  • マザーボード: UEFI(UEFI BIOS)の搭載
  • UEFI BIOSの設定: UEFIブートを有効に設定
  • Ubuntuのバージョン: Ubuntu 12.04、Ubuntu 14.04、及び14.04以降のバージョン
  • インストール先のHDD(SSD): GPT(GUID Partition Table)パーティショニングが必要

インストーラーDVDの作製
まず、インストーラーDVDを作製する。インストーラーDVDを作製するための、イメージファイル(ubuntu-ja-16.04-desktop-amd64.iso)を「Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード | Ubuntu Japanese Team」のページからダウンロードする。


イメージファイルをダウンロードしたら、イメージファイルをDVDに書き込む。Windowsであればイメージファイルを右クリックして「ディスクイメージの書き込み」をクリックして、その後のウィンドウで書き込み先のディスクを選択して、「書き込み」を実行する。


UEFI BIOSの設定
Ubuntuのインストール前に、UEFI BIOSの設定を行う。それぞれのマザーボードによって設定の仕方が異なるが、使用しているマザーボードの説明書等を読んで、以下の説明に相当する設定方法を調べればよい。今回は、使用するマザーボード ASUS P8 Z77-M PROを例にして、以下説明する。

まず、UEFI BIOSの設定を変えるために、UEFI BIOSの設定画面に入る。ただし、UEFI BIOSの設定が終わったら、DVDドライブからUbuntuのインストーラーDVDを起動するので、UEFI BIOSに入る前にUbuntuのインストールメディアをDVDドライブにセットしておく。

手順としては、「PC電源ON」→「すぐにDVDドライブを開けてインストールメディアを入れる」→ASUSのロゴ画面で「Delキー」を押す、となる。

UEFI BIOSの設定画面が起動すると、以下のような画面が表示される。


UEFI BIOSが起動したら、画面左下の「Advanced Mode」をクリックして、詳細な設定ができるモードに移動できる。以下の設定を、続けて行う。

SATAデバイスをAHCIモードに設定
SATAデバイスのモードにはレガシーなIDEモードと、新しいAHCIモードがある。UEFIブートするためには、SATAはAHCIモードでなければならない。RAIDを組んでいるんであれば、RAIDでもよい。

基本的にはデフォルトでACHIになっているはず。設定は、「Advancedのタブ」→「SATA Configuration」をクリックして、「SATA Configuration」メニューに移る。


「SATA Mode Selection」の項目を「AHCI」とする。デフォルトで、「AHCI」となっていた。


Secure Bootモードの解除
セキュアブートでは、ウィルスなどによるブートコードを変更する操作が禁止されるため、システムはより安全になる。しかし、セキュアブートに対応していないOSが、起動できなくなるという支障も発生させる。ここでは、セキュアブートは無効とする。

セキュアブートを無効にするために、「Bootのタブ」→「Secure Boot」をクリックしてSecure Boot menuに入る。


「OS Type」の項目を、「Other OS」に変更する。「Other OS」という表記だが、Secure Boot OFFの意味。デフォルトでは、Windows UEFI modeになってSecure BootがONになっていた。


※セキュアブートを有効にしないと、OSがインストールできない場合、または、セキュアブートを有効にしてOSを起動したい場合は、「Windows UEFI mode」を選択する。もし、セキュアブートを有効にした場合は、以下のCSMモードは無効にしなければならない。


CSMモードを有効にする
Secure Bootを無効にした時は、 Compatibility Support Module (CSM) を有効にしておいた方がよい。CSMを有効にしておくことで、UEFIドライバーを持たないデバイスとの互換性を向上させることができる。

「Bootのタブ」を選び、「CSM」をクリックしてCSMの設定ページに移る。


「Launch CSM」の項目を「Enable」にする。デフォルトでEnableになっていた。


「Boot Device Control」の項目がある場合は、「UEFI only」にするとブートドライブからUEFIモードのブートローダーのみ起動されるようになる。「UEFI only」にして、もし起動に不具合があったら、「UEFI and Legacy OpROM」にする。


その他、「Boot from Network Devices」、「Boot from Storage Devices」、「Boot from PCIe/PCI Expansion Devices」は「UEFI driver first」にする。もし、ブートや起動中のOSに不具合があったら、「Legacy OpROM first」を選択する。


※セキュアブートを有効にしている場合は、CSMモードを無効にする必要がある。CSMモードを無効にするには、「Launch CSM」を「Disable」に設定する。


設定の保存とインストールメディアの起動
UEFIモードで起動するには、BootデバイスをUEFIデバイスに設定しておかなければならない。設定は、「Bootのタブ」から「Boot Option Properties」の「Boot Option #1」を選択。


UEFIの表示がある「インストールメディアを入れた光学ドライブ名」を選択。今回は、PIONEERの光学ドライブを使用しているので、「UEFI: P6: PIONEER BD-RW BDR-207M」を選択。#2以降の順番は重要ではない。インストーラーがUEFIモードで起動していないと、UbuntuはBIOSモードでインストールされてしまう。したがって、Boot Menuで必ず「UEFI: ~」と表示されたインストーラーが入ったドライブを選択する!


これで設定は終わったので、画面右上の「Exit」を選択し、「Save Changes & Reset」を選択する。すると、UEFI BIOSから抜け出し、光学ドライブからUEFIモードで、Ubuntuのインストーラーが起動する。


UbuntuのインストーラーがUEFIモードで起動しなかったら
もし、Ubuntuのインストーラーが、光学ドライブからUEFIモードで起動しなかった場合は、Boot Menuから直接インストールメディアを入れた、UEFI表示付きの光学ドライブを選択する。


Ubuntuのインストール
次に、Ubuntuのインストールに移る。UEFI BIOSの設定が終わり、UEFI BIOSを抜け出したら、以下のようにUbuntuのインストーラーが起動する。

↑↓キーで「Install Ubuntu」を選択。


「Install Ubuntu」を選択して、「Enterキー」。


Ubuntuのインストーラーが起動する。


「日本語」が選択されている状態で、「続ける」をクリック。


「Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする」と「グラフィックス、Wi-Fi機器、Flash、MP3やその他のメディアに必要なサードパーティーソフトウェアをインストールする」をチェックして、「続ける」をクリック。もし必要なければ、チェックを外す。


インストールの種類で、「ディスクを削除してUbuntuをインストール」をチェックした状態で、「インストール」をクリック。この方法では、インストール先のディスクのデータを完全に削除して、おすすめ設定でUbuntuをクリーンインストールすることになる。初めてUbuntuをインストールする場合は、このままインストールするのがよいと思う。

自分でパーティショニングなどを行いたい場合は、「それ以外」を選択する。


「ディスクに書き込みますか?」のメッセージウィンドウが開くので、「続ける」をクリック。


時刻合わせのため、居住地(日本の場合は「Tokyo」)を選択して「続ける」をクリック。


キーボードレイアウトを選択する。特殊なキーボードでない限り「日本語」、「日本語」が選択されている状態で、「続ける」をクリック。


ユーザー名とホスト名(ネットワーク上でのPCの識別名)、パスワードを入力する。「あなたの名前」がユーザー名にあたり、「コンピューターの名前」がホスト名にあたる。入力したら、「続ける」をクリック。


インストールが開始される。


「インストールが完了しました」というメッセージウィンドウが開いたら、「今すぐ再起動する」をクリック。


UbuntuのインストールDVDを取り出す。その後、Ubuntuが再起動される。インストール時に設定したユーザーでログイン画面が起動される。インストール時に設定したパスワードを入力して、「Enterキー」を押す。


ログインすると、デスクトップが立ち上がる。


UEFIモードで起動しているか確認する。端末を起動して、「ls -al /sys/firmware/efi」と入力して、以下のような表示がされればUEFIモードで起動していることが分かる。このコマンドを入力しても何も表示がされない場合は、BIOSモードで起動してしまっている。

インストール直後の再起動後はUEFIブートしていないこともある。「ls -al /sys/firmware/efi」と入力して何も表示されない場合は、一度PCの電源を切って再起動してから確認してみる。


ちなみに、おまかせモードでインストールした場合の、パーティショニングは以下のようになる。「パーティション構成」が「GUIDパーティションテーブル(GPT)」となっていることから、GPTでパーティショニングされていることも、確認できる。
  • パーティション1:UEFIシステムパーティション(537 MB、UEFIブートで必要なパーティション)
  • パーティション2:ルートパーティション(パーティション1と3以外の、残った領域)
  • パーティション3:Swapパーティション(2.1 GB、おそらく、メモリ容量に合わせて変化。)





参考:
[1]UbuntuTips/Install/UEFI - Ubuntu Japanese Wiki

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